Umekikiとは?
グランフロント大阪の約90店舗ものシェフたち、
手間ひまかけて食材を育てる生産者さんたち、
そして食べる人たちが、食の“めきき”を
楽しみながら学びあえるコラムをお届けします。
Column. 01
生ハムのエキスパートに聞く
正しい生ハムとは
サラダやサンド、お酒の席などで食べる機会が多い生ハム。種類が多く、手軽に購入することもできるが、“正しい生ハム”と言われると基準がわからない。「スペインバルBANDA」店長、川端極さんに“正しい生ハム”について聞いた。
正しい生ハムとは
川端さんは、『日本生ハム協会』認定のエキスパート。協会が実施する認定試験の、第一回目の合格者で、関西では一人目のエキスパートだ。お店はもちろん、東京・六本木のスペイン大使館で開催されたナショナルデーのイベントでもカッティングの技を披露。さらに、協会出版の書籍の執筆や、認定資格の審査委員を務めるほど。少しでも“正しい生ハム”についての情報が日本に広まってほしいと活動している。
『日本生ハム協会』とは
「生ハム」についての正しい知識および取扱方法の普及、関連する食文化の啓蒙実施を目的として、業界関係および一般の有志により2015年10月に設立された団体。協会認定試験で生ハムに関してのエキスパートを輩出している。
そもそも生ハムは保存食だ。骨付きの豚モモ肉を塩蔵と長期熟成(最低6ヵ月)で水分を抜いていき、豚肉本来の旨みを増大させるのが本場ヨーロッパでの作り方。これを『日本生ハム協会』では“正しい”としている。しかし日本では、1週間で熟成と名乗れたり、中には燻製したものを生ハムとして販売していたり…。イタリアやスペインの生ハムが日本に入ってきてまだ月日が浅いため、誤解や誤りも多いそうだ。
カットで味わいに差が
生ハムは、原料の豚の種類や製法により味や食感が変わるが、カットの仕方が最も重要だそう。同じ部位でもカットをする人の腕で味がまったく異なる。上手くカットされた生ハムは、手に取った瞬間に体温で脂身がとろけ、その脂身の甘み、赤身の旨みが口の中で同時に押し寄せてくるそう。生ハムをカットする職人をコルタドールと呼び、エキスパートである川端さんは、コルタドールのコンクールでも準優勝するなど実績を残している。そんな川端さんのいる「スペインバルBANDA」だから、ひと味もふた味も違う“正しい生ハム”が味わえるのだ。
スペインハム欲張り盛り合わせ
〈2人前〉 1,160円(税込)
スペイン産生ハム ハモンセラーノ
〈XL〉 2,600円(税込)
シェリー酒マンサニージャ
770円(税込)
お店で使用する生ハムは、スペイン・トレベレス産のもの。塩と豚肉のみで作られた原木にこだわっている。本場から取り寄せた生ハムを、毎日丁寧に研ぎあげたナイフでカット。川端さんと、技術的に認められたスタッフだけが生ハムを切ることができるそう。基本生ハムはどんなドリンクともよく合うが、特におすすめはシェリー酒のマンサニージャ。アンダルシア地方のお酒で、白ワインをベースに酒精強化し熟成したものだ。暑さが和らいでいくこれからの季節。心地よいテラス席で、エキスパートこだわりの生ハムで1杯、おすすめだ。
※お酒は二十歳になってから。飲酒運転は法律で禁止されています。
取材協力:スペインバルBANDA
北館 1F / Tel.06-6147-7784
Column. 02
素材の持ち味を存分に味わえる
炭火焼きの魅力
炭をおこして、肉や野菜をジュージューと。キャンプやバーベキューで楽しむ炭火焼きは、屋外という環境だけではない美味しさがある。その理由を、炭火焼き・洋食ビストロ「NORTH tRunk」スタッフに聞いた。
炭火で焼くと、
なぜ美味しく感じるのか
炭火と言えば、遠赤外線。遠赤外線は熱を発生させる特徴があり、例えば肉だと、表面に遠赤外線が触れることで熱が発生し、まず肉表面が焼けていく。火ではなく熱なので焦げ付きにくく、パリッと焼き上がるのはこのためだ。次に熱は内部に伝わり、じっくりと旨みを引き出していく。旨みを含んだ汁がポタポタ落ちないので、中はジューシーに焼き上がる。食材がぐっと美味しく感じるのは、遠赤外線の効果が大きい。炭の香りも付くので、それも美味しさのひとつと言えるそう。
紀州備長炭にこだわり
お店で使用しているのは“紀州備長炭”。表面温度が300~600℃の高温になる炭火だが、紀州備長炭にこだわるのは、特に火力が強く長持ちするから。遠赤外線量も多くなるため、短時間で美味しく焼き上げられるそう。お店での炭火焼きメニューは肉類が中心だ。牛、豚、鶏、それぞれの持ち味を引き出すように、熟練のシェフが絶妙な火加減で焼き上げる。屋内で、しかも大阪の街中で本格炭火焼き料理が楽しめるのは貴重だ。
おすすめは鱧。
淡路産のタコもぜひ
炭火焼きで使用する食材はほぼ淡路産。これからの季節におすすめしたいのが、食通に人気の“なごり鱧”だ。鱧は冬眠する生き物で、冬眠前は栄養を蓄えるためエサをよく食べ、まるまると太って脂がのる。それを炭火焼きで食すのは、とても贅沢な体験だ。珍しいものでは、“淡路産の小ダコ”がある。こちらも炭火焼きで楽しむ機会はないのでは。キュッと身が引き締まって、プリっとした食感がたまらない一品だ。都会で楽しむ炭火焼き、食欲の秋にいかがだろう。
取材協力:NORTH tRunk
北館 6F / Tel.06-6359-3350
店内ご飲食(消費税10%) テイクアウト(消費税8%)
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詳しくは店舗まで、ご確認ください。 - ※内容は予告なく変更する場合がございます。
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詳しくはホームページをご確認ください。 - ※掲載情報は、2024年9月2日現在の情報です。